2012/07/31

まちこん

職場の友人たちと話題の「まちこん」とやらに行ってきた。

まちこんは二人一組で申し込まねばならず、
私、伊庭ちゃん、同じグループの丸井ちゃん、隣のグループの土居さん、
かつて同じ部署で今は別の部署に異動になった、たかちゃんの5人
プラス丸井ちゃんの友人の6名、計3組で挑んだ。

丸井ちゃんと友人は別口で申し込んでいて、私たち4人は伊庭ちゃんがまとめて申し込みをしてくれた。
そのため、スタートとなるお店が丸井ちゃんたちだけ違う場所だった。
「まちこん」のルールは開催場所によって違うのかもしれないけれど、
私たちが参加したものは、1件目だけお店が決められていて、それ以降は「まちこん」指定のお店であればどこに行ってもいいものだった。

指定されたお店、1件目は焼肉屋だった。
14時スタートのことだったので13:45ころにお店に到着。
中を覗くと、男の人しかいない…。
入り口にいた「まちこん」スタッフの人に話しかけて、受付を済ませると「まちこん」参加の証のグリーンの紙製腕輪をくれた。
そして、スタッフに誘導されるがままにすでに男性のいる席へ着く。
私は伊庭ちゃんと組みで座った。

私たちの前に座っている人は二人とも整体師だった。
先輩後輩で参加している模様。
二人ともメガネをかけていて、体格が良い。


今日も真夏日で外が暑いが、さらにこの焼肉屋は本格炭火焼きということもあり、
店内は蒸し暑く、整体師の二人は汗だくだった。

そして、無口…

こちらから話しかければ答えてくれるが、なかなか向こうからの話題はない。
おかげで、相手の職場環境や酒癖などに詳しくなったが、肝心の名前も年齢も聞かないまま終わった。
ちなみにこちらも年齢も名前も言ってない。
聞かれてもいない。

いい人たちだとは、思う。

この会でこの人たちに誰かいい相手が見つかるといいなぁ。
と思いながら肉を焼き、私は生ビールを3杯も飲んだ。

たかちゃんと土居さんは隣の席だった。
後から聞いた話によると、そっちの男性はなんと20歳と23歳だったそうだ。
20歳の方は大学生。
土居さんは終始「かわいいなぁ、かわいいなぁ」と言っていて
最後の最後まで「あの子のアドレス聞いておけばよかった」と後悔していた。
付き合いたいとか恋愛対象ではなく、可愛がりたいのだそうだ。

私たち全員、1件目は何事もなく終わった。
誰一人としてアドレス交換などはしなかった。

ちなみに、厳しい時間制限などはないので(一応30分以上経ったらお店を変わるようにという案内はあったが、そこまでうるさく言われない)、気が合う人だったらずっと一緒にいても構わない。
だが、我々は30分過ぎたころ「じゃあ、次行きますか!」と言って整体師と別れた。


2件目は、伊庭ちゃんがお好み焼きが食べたい。と言ったのでお好み焼き屋に行った。
お好み焼屋では席は空いていたが、男性がいなかった。
私たちは席について、男性陣が来るのを待った。
今回は私とたかちゃん、伊庭ちゃんと土居さんペアにした。

しばらく待つとすぐに男性が来た。
私たちの所に来たのは出川哲朗に似た32歳郵便局員と、同じく32歳のハリセンボンの痩せてる方に似た人たちだった。

出川哲朗は
「いやいやいやいや、どうもどうもー」
とまるで芸人のように登場した。
そして挨拶もそこそこにマシンガントーク。
「1件目はどこでした?ぼくたちはカフェ的なお店だったんですけどねー
いや、なかなか良かったですよー。ただねぇ、お店にドアがないんですよ。
そして空調が効いてなくって暑い!あれで涼しければねー。ほんといいお店でしたよ。
ぼくね、実は今回で3回目のまちこんなんですよ。お二人ははじめて?
ああ、そうですか。でね、まあちょっとだけ先輩のぼくに言わせてもらうと、
大体まちこんてのは料理が美味しくないんですよ。ほんと!
どんな洒落たお店でもね、スナック菓子と出来合いの電子レンジでチンしたようなご飯が出て来ることが多いんです。
それに引き換え、今回はどこのお店も美味しそうですよね。
え?1件目焼肉?しかも炭火?そりゃすごい!そんなことなかなかないですよ。
それにしても女性てのは食べるのが好きですよね。
前に付き合ってた彼女がね、クリスマスに「夜景の見えるレストランに行きたい」って言って来たんですよ。だからぼく頑張って予約取りましたよ。
六本木のね、お店を。そういやお店の住所は六本木なのに、お店の名前は赤坂だったんですよ。そういうのわかりづらいですよねぇ。
あ、そうそう、それでとにかくそのお店に行ったんですけど、まあ高いわりにお腹は膨れないですよ。まあお肉は出て来ましたけどね。
まあ、そうやって頑張ってみたんですけど、その2日後に振られちゃったんですよ。
訳が分からないですよ。何かいけないことしたんでしょうね。
それにしても、そんなデートで高いお金払うならぼくは吉野家で十分ですよ。
夜景の見える吉野家ってないんですかね?あれば絶対行くんですけどね」




と、まあ、とにかく喋る、しゃべる。
今度は何も聞かずとも喋ってくれるので相手のことを必要以上に知ることが出来た。
どうやら彼は「まちこん」に参加することをライフワークのようにしているようだった。だからなのか、慣れている。
慣れている、ということは、その気がない場合の対処も慣れているということだ。
一方的に喋ってちょっと飲んで食べて、出川哲朗はサッといなくなった。
私たちは自分たちのことは一切話さず、聞かれず、終わった。
またもアドレス交換などはしなかった。

私は出川哲朗の話に笑いながらビールを2杯飲んだ。

伊庭ちゃん、土居さんペアの相手は40過ぎの男性二人だった。
思いのほか彼女たちは好かれたようでお店を出た後もなんとなしにその人達はついてきた。
その時によく見たら、片方はシャツをベルトにタックイン&ハイウエストで、さらに胸にはピースマーク?ヒッピーの人達が下げるようなペンダントをしていた。
その事を土居さんに伝えたら小声で「うん、わかってる…座ってる時は気がつかなかったけど、立って、ウエスト見たらタックインしてて驚いた。」と言ってきた。
ずっと後をついて来られるのも面倒なので適当に撒いて、今度はハイボールのお店に向かった。

お店について、中を覗くと、スタッフに満員なんですよー。と断られた。
悔しかったのでどれだけ混んでるのかと客を見ていたら手前のテーブルに丸井ちゃんがいた。
しかも男性と楽しそうに喋っていた。
店に入ることさえ出来なかった我々は次の店に向かいながら毒づいた。
「なんだよ、丸井ちゃんたのしそうにやってんなー」
「てか満席てなんですか、もっとみんな回りなさいよ」
などなど、暑いし、誰一人収穫ないし、ややグレ気味だった。



3件目は、さっきの店で「ここなら空いてます」と言われたフィリピン料理屋に行った。
そこも席は空いていたが、男性がいなかったのでまた待つ事になった。
今度は私、土居さんペアと伊庭ちゃん、たかちゃんペアに別れた。
また、そんなに待つ事もなく男性がやってきた。

今度は静岡で働いている30歳と、職業不明の30歳。
職業不明の30歳はちょっとギョロっとした目で、オドオドした感じだった。

何か言いたい事があるのかな?と思っていたら、
「あ、あのぉ…」
と切り出してきた。
「お二人のお名前と年齢を教えて頂けませんか?」
お!初めてまともにプロフィール聞かれた!
でも、これって年齢で何か差別されるんだろうか。
などドキドキしつつ自己紹介を終えたら、そのギョロ目の彼が
「あのぉ…いきないこんなこと聞くのもなんなんですけど、お二人はどういうつもりでこの会に参加されたんですか?」


え?
質問の意図が分からない。

面接?

土居さんと私は頭に?マークを連発しつつ、軽い感じで
「まあ、いい出会いがあればなーと思ってー」
と返事した。

するとギョロ目の彼は
「ああ、そうですか。
てことは真面目に恋愛するつもりも一応あるってことですね?」

は?うううーん。
なんだろ、怖い。

とりあえず
「ええ、まあ、いい人がいれば」
と返事したら

「ぼくは、あれです。真面目に婚活です」

と言ってきた。

あ、ああ、そうですかぁ…。

なんだろう。
私もそこまでふざけてるつもりもないけど、ここまで真面目に言われると…
重い…


土居さんは早々に見切りをつけて、
「んじゃそろそろ行く?」
と言った。

私はまたもアドレス交換などすることなくビールを1杯半飲んで終わった。



次はまたさっきのハイボールのお店にチャレンジすることにした。
行ってみたら一組だけすぐに入れるとのこと。
じゃんけんで先に入る二人を決めた。
勝ったのは私と伊庭ちゃんだった。
今度はすでに男性が座っている席に案内された。
そこにいたのは哀川翔のような36歳の男性と、その職場の後輩(というより手下のように見える)21歳の子だった。二人とも植木屋だそうだ。


チャラい…
今日一番チャラい…

ていうか、一日まちこんを回ってみて、このようなタイプの人はあまり見かけない。
何を思って参加することにしたのだろうか…

聞くと、この二人はまだこの店が2件目だそうだ。
女性ともそんなに話をしていないとのこと…

ほんとになんなの…
なにを目的で来てるの…


適当に社交辞令な会話を続けていたら土居さんから連絡。
「もうお店に入れそうもないし、終了時間も近いから二人で先に別のお店で飲んで来る」
とのこと。
私と伊庭ちゃんはじゃんけんに勝ってこの席に座っているのだがまるで罰ゲームのようだった。私も早く自由になりたい。
と思っていた。

話題は基本的に哀川翔が21歳の男の子をいじって「こいつ見た目こんなのに趣味とかねーの、音楽とかも全然きかねーし」とか「ちょっと前までこいつひげがすごかったんだよ、これでもずいぶんスッキリしたんだよな、な!」「そっすねー、もっと伸ばしてもいいかなって感じっすけどねー」などそんな感じ。

私は「へー、ああ、そうなんすかー、あはあは」
と適当に相槌を打ちながらハイボールを1杯飲んだ。

しばらくするとまちこん終了時間になり、「じゃあ帰りますか」と言ってお店を出ることにした。
帰り間際に哀川翔が「この後どーすんの?」と言って来たので馬鹿正直に
「他にもまちこんに参加してる子がいるので合流して反省会ですね」
と言ったら
「えー、それいいなー、おれも参加しちゃおっかなー」
と言って来たので
「あ、来ます?女ばっかで居場所ないかもですけど、良ければ」
と言いいながらサッと店を出て哀川翔を撒いて土居さんとたかちゃんが飲んでる店へ向った。



当初は「まちこん終わったあと、一応みんなで飲みに行くけど、もし誰かいい人が見つかったら無理に反省会に来なくてもいいよぉ」などとみんなで牽制しあっていたのだが
そんな心配など全く必要なく、全員問題なく反省会に参加した。

丸井ちゃんが一人とアドレス交換をしただけでそれ以外の人はなにもないまま、まちこんは終わった。

14時から17時まで3時間で喋った男性は8人。
飲んだお酒は7杯半。
会費は3500円。
なにもなかったにしてもかなりお得な気がする。




その後、やさぐれ恋愛発展途上の我々は女性だけで飲み直した。
いわゆる女子会というものに発展した。

ネタには事欠かない。
だって、今日一日一緒に戦って来た友同士だから。
すでにお酒も十分入っているし、お互いがお互いの心情をかなり吐露しまくった。



まちこんとは、濃厚な女子会のための時間をかけた前戯だ。
という結論を我々は得た。