2010/06/02

ハードボイルド



昨日は朝目覚めた時から何かが違っていた。


嫌な予感…


俺の直感はそう告げていた。


しかし何が違うのか分からない。


ただ言い知れぬ不安が妙に俺の周りにまとわりついていた。


嫌な予感ほど当たるもんなんだ。


俺はいつもよりも注意深く、オフィスへと急いだ。





それが俺のハードボイルドな1日の始まりだった。





ハードボイルドに会議に出席する、俺。


ハードボイルドに仕事をする、俺。


ハードボイルドにビッグマックを食べる、俺。


ハードボイルドにマックのポテトを残し落ち込む、俺。


ハードボイルドに仕事を再開する、俺。


ハードボイルドに仕事に飽きてサボる、俺。


ハードボイルドに残業する、俺。





とにかく1日中ハードボイルドだった。





今日の仕事を終えて、オフィスを後にする。


もう6月だというのに日が落ちた後のオフィス街は妙に肌寒い。


Gジャンの襟をそっと立てて、身を隠す用に家路へと急ぐ。


俺はまだ分かっていなかった。


ハードボイルドはまだ終わっちゃいない。





駅から家までの帰り道、なんだか妙に足がふらつく。


今日はアルコールなんて1滴も摂取していないのに、だ。


家に着いて、棚から例のものを取り出し、脇に差し込んだ。


しばらく椅子に座って呆けていると、無機質な電子音が部屋中に響き渡った。


例のものを取り出してみる。








37.8度








ちっ、嫌な予感ほど当たるもんだ。


ハードにボイルドされていた訳だ、俺が。