昨日は朝目覚めた時から何かが違っていた。
嫌な予感…
俺の直感はそう告げていた。
しかし何が違うのか分からない。
ただ言い知れぬ不安が妙に俺の周りにまとわりついていた。
嫌な予感ほど当たるもんなんだ。
俺はいつもよりも注意深く、オフィスへと急いだ。
それが俺のハードボイルドな1日の始まりだった。
ハードボイルドに会議に出席する、俺。
ハードボイルドに仕事をする、俺。
ハードボイルドにビッグマックを食べる、俺。
ハードボイルドにマックのポテトを残し落ち込む、俺。
ハードボイルドに仕事を再開する、俺。
ハードボイルドに仕事に飽きてサボる、俺。
ハードボイルドに残業する、俺。
とにかく1日中ハードボイルドだった。
今日の仕事を終えて、オフィスを後にする。
もう6月だというのに日が落ちた後のオフィス街は妙に肌寒い。
Gジャンの襟をそっと立てて、身を隠す用に家路へと急ぐ。
俺はまだ分かっていなかった。
ハードボイルドはまだ終わっちゃいない。
駅から家までの帰り道、なんだか妙に足がふらつく。
今日はアルコールなんて1滴も摂取していないのに、だ。
家に着いて、棚から例のものを取り出し、脇に差し込んだ。
しばらく椅子に座って呆けていると、無機質な電子音が部屋中に響き渡った。
例のものを取り出してみる。
37.8度
ちっ、嫌な予感ほど当たるもんだ。
ハードにボイルドされていた訳だ、俺が。